引越し難民になってしまったときの対処法とは?ユーザーアンケートの実例から学ぼう
突然ですが、あなたは今まで何回引越したことがありますか?人生や仕事の節目とともに多くの人が経験する「引越し」。より良い環境を求めて計画的に行う引越しもあれば、仕事事情で急に言い渡される引越しもあります。しかも引越しは特定の時期に集中しがちで「引越さないといけないのに引越せない」状況を経験している人も実は多いようです。そこで今回は、ユーザーアンケートを通して引越しの実態とホンネに迫ります。
約8割が引越しを2回以上経験している
初めに、これまでに引越しをした回数について調査しました。
今回は引越しを経験したことのない人(0回)は1人もいませんでした。最も多い引越し回数は2回(26.3%)で、その次は3回(19.3%)、つまり引越し経験2〜3回の人が約半数(45.6%)でした。
続いて、6回以上が高い割合を占めました(18.0%)。転勤族や、良い物件が見つかるたび、または気持ちの切り替えに引越しをする人が多いようです。引越し経験1回(17.3%)より6回以上が多い結果となったのは意外に感じる人も多いのではないでしょうか。
全体を見てみると、引越しを2回以上したことがある人は実に8割以上(82.7%)という結果でした。
引越しのピークはやはり3月!年度切替時期がほぼ半数
次に、引越しをした時期について調べました。圧倒的に多かったのは3月(34.3%)で、進学・就職・転勤等、新年度に始まる新生活に備えての引越しが多いことがわかりました。続いては同じく新年度に備えた4月(11.0%)で、3〜4月の年度切替時期だけで45.3%を占めることがわかりました。この結果を見るだけでも、3〜4月の引越し業者への依頼や物件探しが難航しそうだと想像がつきます。
その次には夏休みに配慮した8月(7.3%)が続きます。8月の引越しは、実際に新生活を始めてみて、より便利な場所・良い環境に引越しする人や、転勤が多い傾向にありました。その他の月は各月大差なくまばらになっています。
引越しをした・検討した理由の第1位は「進学・就職」
続いて、引越しをした・検討した理由を調査しました。トップは「進学・就職(18.7%)」で、地元を離れて進学・就職をするパターンが多く見られました。続いて「結婚(17.7%)」「転勤(17.0%)」での引越しが多く、このトップ3が僅差となりました。
前述の引越し回数で2回・3回が多いという結果でしたが、2回なら「進学・就職」と「結婚」、3回ならさらに「家を購入・契約した」または「転勤」が加わるパターンが定番です。
全体的に見ると、仕事や学業を理由に引越しをする人が非常に多いことがわかります。転勤等の「会社指示」や、毎日の通勤・通学で「必要に迫られる」ことが引越しの重要な動機となっているようです。
スムーズに引っ越しできたのは約8割…残りの約2割は「引越し難民」になった?!
様々な理由による引越しがあることがわかりましたが、実はスムーズに引越しできた人ばかりではないようです。あなたは、引越ししなければならないのに様々な事情でできない「引越し難民」になったことはありますか?
今回の調査では、スムーズに引越しできた人は82.7%はいるものの、「引越し難民」を経験した人は17.3%もいました。2割弱、5〜6人に1人という割合は、他人事ではなく誰にでも起こり得るものだと言えるでしょう。
人によっては引越しできない間住む場所がなかったり、新旧どちらの家にも荷物が置けないケースもある等、非常に困る事態が起こっています。この「引越し難民」の実態についてさらに掘り下げていきましょう。
「引越し難民」の約6割が1週間以上の遅れ・1ヶ月以上遅れる人も
「引越し難民」を経験した人に、引越しが予定よりどれくらいの期間遅れたのか聞きました。一番多かったのは「1週間以内(42.3%)」ですが、全体をみてみると1週間以上遅れた人が約6割(57.7%)にのぼることがわかりました。中には「1ヶ月以上(13.5%)」の人もいて、10人に1人は丸1ヶ月間引越しできない状態であったことがわかりました。
一般的なホテルの連泊では対応しづらい日数での引越しの遅れのケースが多く、家財等の荷物を置ける場所がないことが大きな問題です。この「引越し難民」の危機、何がきっかけで引越しの遅延が発生し、どのような対処で乗り越えたのでしょうか。
引越しの遅れの約6割が「引越し業者の空きがないこと」が原因
「引越し難民」を経験した人に引越しが遅れた理由を尋ねたところ、圧倒的に多かった理由は「引越し業者の空きがない(57.7%)」でした。特に、引越しが集中する年度切替時期にはなかなか空き枠が見つからず、転勤等の急な引越しでは業者手配がかなり難航するようです。
そして、その繁忙期に引越し価格が高騰し、払い切れない高額な見積もりが出たり、会社負担での引越しの予算がオーバーして頼めない等の「金銭的理由(15.4%)」が続き、急な引越しに多い「引越し自体は決まっているのに物件が見つからない(13.5%)」ケースも多々ありました。これもまた、引越しが多い時期に良い物件が埋まってしまうことが原因であるようです。
引越しが遅れてしまった時の対処法!みんなこんな対策をしている
引越しが遅れてしまう場合、どのような対処が必要なのでしょうか。まず、引越し予定日や予定期間をやむを得ず諦め「引越し時期を遅らせた」調整をした人は71.2%にも上りました。この調整は、引越し先の物件との入居日調整、旧住居の退去日をずらして「旧住居に住み続ける(25.0%)」ための調整、転勤先の着任日をずらす調整等、多方面に渡ります。
もちろん、うまくいかず、引越し待ち期間の家がない状態になる人も多数いました。その場合多かったのは「親族・友人に荷物を預けた(25.0%)」「親族・友人宅に宿泊した(13.5%)」パターンで、長期になると「短期物件・宿泊施設を借りた(7.7%)」ケースも多く見受けられました。
人の滞在先はどうにかなるが家財等の荷物だけが困るというパターンで好評だったのが「トランクルームを利用した(9.6%)」という声でした。荷物を収納し、都合のよいタイミングで新居へと運べるのが便利なトランクルームですが、詳しくは別記事にて特集します。
また、本来の引越し予定日からできるだけズレを無くすよう「自分たちで引越し作業をした(19.2%)」「親族・友人に引越し作業を依頼した(9.6%)」「別の引越し業者を見つけた(9.6%)」「引越し業者の空き枠に都合を合わせた(3.8%)」ケースもあり、この場合は引越しのできない期間が短めになる傾向にありました。
対策をとった人の意見
ここで引越しの遅れを経験した人の詳しい体験談をご紹介します。必要な時期に引越しできない大変さと苦労が伝わってきます。
“引き受けてくれる引っ越し業者が見つからなかった。不動産業者に事情を話して退去日を変更できないか相談した。” (40代・パート主婦)
“引っ越し時期がピークでもあり、求めている条件の部屋がなかなか見つからず引っ越しが遅れてしまった。不必要なものは処分し、必要なものをトランクルームを借りて避難、自分自身は友人の家にお世話になった。” (30代・会社員)
“繁忙期で業者がどこも空いていなかった。軽トラを借りて友人に手伝ってもらい自力で引っ越しました。” (30代・会社員)
調査結果を受けてのまとめ
今回はユーザーアンケートをもとに、引越しの実態と引越しが遅れる場合の対処法についてお話しました。
約2割が「引越し難民」を経験したというデータは意外だったかもしれません。引越しの予定が立ったら一日も早く手配することが一番大切ですが、協力してもらえる親族・友人を普段から考えておくことや、トランクルーム・短期物件等、引越し待ちの期間を便利に過ごせる方法を考え、調べておくことが大切だと言えるでしょう。
【調査概要】
調査対象:引越しに関するユーザー調査
回答数:300サンプル
回答期間:2021年8月1日から8月10日までの10日間
調査方法:インターネットによるユーザーリサーチ